「表具屋もたまには世の中のお役に立てるんだ」の巻

昨年の暮れも押し詰まった12月27日(金)の夕方、60歳代と思われる奥様から電話がありました。
年末までに襖を6枚張り替えて欲しいとのこと。もう問屋も年末年始の休業に入っていますから無理ですよとお断りしたのですが、どうしてもとおっしゃるのでご事情を聴いてみると。。。。

「名古屋に赴任中の長男が元旦に彼女をつれてくることになったんです。12月24日のクリスマスイブにプロポーズしたらイエスの返事をもらったので、正月に連れてきたい
と25日の朝電話があったんです。洋服はどれにしようとかパーマに行かなくっちゃとかばっかり考えていて、ふと気づいたら仏間の襖がボロボロだったんです。数軒、表具屋
さんに電話したんですが、どこでも断られて困っています。何とかお願いできませんか」
とのこと。

お伺いして、在庫があった無地の糸入り(あかつき689)でご了解いただき、大晦日の夜、除夜の鐘が鳴る中、無事お届けしご夫婦に大変喜んでいただきました。

昨日(2/29)、お電話いただきました。「2月下旬に婚約し、今年の秋に結婚式を挙げることになりました。本当にありがとうございました」とのこと。

「表具屋もたまには世の中のお役に立てるんだ」の巻でした。

港南店
小柳